Bonjour!
昨日まで上野の森美術館で開催していた
「HELLO! My name is Poul Smith」。
言わずと知れたイギリスのファッションデザイナー、ポールスミスの展覧会。
最終日に行ってきました。
ポール氏には勝手に親近感を感じている。
原宿から渋谷に向かう明治通りですれ違った背の高い外国のおじさん。
「…あれッ!? いまのってポールスミス??」
近くにショップがあったから、間違いない。
それから2回目はパリからロンドンに向かうために初めてのったユーロスターの車内。
「どこかで見た人だな… あっ、もしかしてポールスミス??」
勇気がなくて声を掛けられなかったから、定かではないけれど…
そういうことで、なんとなくたまにどこかですれ違う人なのです。
それくらい自然に回りに溶け込む、壁のない印象の人。
そういうポール氏の人隣を感じられる展示会でした。

英国を代表するミニクーパーもポールスミスストライプに。
やっぱりカラーコンビネーションはポールスミスの真骨頂だな。
展覧会の感想。ポールスミス氏の人柄が伝わってきました。
特に感じたのは
ユーモア。
アトリエのスタッフ、そして世界中のファンも、彼の周囲にはユーモアが溢れていました。
これって、ポールスミス氏ご本人がそういう人だから…だと思う。
そしてブランドを始めたころのエピソードからは勇気も頂いた展示会でした。

アトリエの壁にはいろいろな写真、絵画が飾られているそう。
こういうお気に入りのものに囲まれて、たくさんのインスピレーションをもらっているんだろうなぁ…

その中には、彼の誕生日を祝うこんなコラージュも。
彼はユーモアに囲まれていることを感じる。

飾られた絵画の中にはこんな日本人の子どもが描いた絵も。
リンゴ?梨? いずれにしても、丸のリズムや配色が素敵。
きっとそんなことをポール氏も感じたんだろうな。

天井からモノが吊られている展示が。
世界中のファンから送られてきたプレゼントだそう。
おもちゃの車や昆虫などに直接住所を書いて切手を貼って届くそう。
こういうモノをそのまま保存されていることにも愛情をユーモアを感じました。

これはポール氏の仕事部屋だそう。でも、ものが多すぎて一度も座ったことがないのだとか…
良く見ると、ここにもユーモアがたくさん。

仕事部屋の片隅には合羽橋で購入したというナポリタンの食品サンプルが。
とても気に入ったそうで、シャツの柄にもなったそう。

それから、こちらも仕事部屋。リュックにかかったアイスクリームは一体何なんだろう…
アイスクリームがいくつもつながっていました。気になってます。

スタッフの人たちもアトリエ。白いデスクが一列に並んでいて、
その上には素材ブックやパントーン、絵の具などが並んでいてとてもわくわくした。
世界に発信される洋服も、始まりはこんな風な試行錯誤から生み出されているんだね。

ポールスミスのシグニチャー的なストライプ柄は、
こうやって厚紙に色糸を巻いて配色やバランスを作っていくそう。

アトリエにこんなものを発見。アコーディオン…
作業につかれたら弾くのかな…? 空気感が伝わってきました。

ポールスミスの初めての展示会の会場は、パリのホテルの小さな一室。
ベッドに黒いフェルトを掛けて,そこにシャツ、ニット、スーツと全部で10着に満たないコレクションだったそう。
最終日にやっときたたった一人の招待客。その方が注文してくださり、そこがビジネスの始まりだったそうです。
初めてもったお店は巾たった3メートル。金、土の週2日だけ営業。それ以外の日はフリーランスで仕事をして
ビジネスを継続させる資金作りをしていたそう。
この2つのエピソードは、私にたくさんの勇気をくれました。
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- 2016/08/24(水) 02:33:04|
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Bonjour!
気持ちのいいお天気の土曜日。
ゴールデンウィークがすぐそこまで来ていて、
予定はなくても、なんとなくウキウキする頃です。
おととい4/21、久しぶりに上野に。
知り合いの方が出品された作品を見に日本現代工芸美術展へ東京都美術館へ行ってきました。
JRの改札を出ると、目の前は新緑広がる上野の森。
きっと数週間前は、桜を愛でにきた人々でごった返していたことでしょう。
一昨日は修学旅行生なのか、制服を来た学生の団体や、大学生の男女のグループが。
なんか、いいよなぁ。山ほど時間のあった学生時代。なにを気にするわけでもなく、じっくり気ままに美術館をふらふらして、友達と飽きるまでおしゃべりして…
今は気持ちがいつもどこか急いでいるもんね。
小雨の中、美術館に向かって上野の森を歩いた。
背の高い樹木が多い。
何十年も前から、この東京の歴史を見守っているんだろう。
パンダが初めて日本に贈られた日の輝くような子供達の瞳、キャリーに画材をくくりつけて芸大の実技試験に向かう緊張した画塾生たちの姿。
世界から集まってくる絵画や、恐竜の化石に好奇心をおどらす人々。
数えきれない人々の知的好奇心を、この森は見守り時を刻んできた。黙々と…
時を真摯に刻んだものは美しい。
駆け足で美術館に向かいながら、樹々を見上げてそんなことを思った。
小雨の上野の森。
葉の形、枝ぶりが生み出す空を背景にしたバランスは、絵画のように美しい。
東京都美術館入り口には巨大な球体オブジェ。
そこだけ空間が歪む。
エナメルのトレンチコートは最近のお気に入り。
- 2016/04/23(土) 15:44:51|
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Bonjour!
桜が終わったというのに、まだ肌寒い。
うっかり風邪を引きそうです。
昨日は六本木の新国立美術館で
「MIYAKE ISSEY展 三宅一生の仕事」を見てきました。
(撮影禁止のため、展示内容の写真は掲載できません)
優しい午後の日差しで満たされた美術館のガラス張りの吹き抜けは
とても気持ちのいい空間でした。
展覧会は一生さんの服作りや時の流れにそって展示されていました。
展示1作目は1970年の入れ墨をいれたようにみえるコンビネゾン。
以前、雑誌で見て、そのインパクトゆえ、印象に深くのこっていたもの。
それから一生さんの代名詞ともいえる「PLEATS PLEASE」、
一枚の布にハサミをいれると洋服になる「A POC」と続き、
折り紙のような
「132 5ISSEY MIYAKE」へ。
展示を見ながら感じたこと…
一枚の布に秘められた無限の可能性。
飽くなき挑戦と探求心。
日本人であること。世界人であること。
決めつけない。楽しむ。
そして、「魂は細部に宿る」ということ。
展示されている作品はもちろん素晴らしい。
でもそれ以上に私が気になったのは、作品を着せ付けているトルソー。
ダンボールの断面を重ねてつくったものや
トルソーの表面に頭から指先までブラウンの細かいメッシュで覆われている。
覆うことで、トルソーと洋服の世界感がつながってひとつになる。
伝えるために、手を抜かない。
細部まで。
…細部が積み上がってモノになり、表現になって、世界になる。
感慨深く、とても勉強になりました。
- 2016/04/12(火) 15:31:26|
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Bonjour!
デザインをする時に、素材や形ももちろん大切だけど、
配色も大きなポイント!
可愛い配色、かっこいい配色も素敵だけど、
「えっ、こんな配色も美しいんだ…」 と驚くような色あわせに
私はとても惹かれる。
そんな配色を探して、画集をめくってみる。
以前、渋谷に展覧会を見に行った田名網敬一氏の70年代の作品を中心にまとめた「KILLER JOE」。
奇抜なだけでなく、意表を突くような配色は素晴らしいし、
画面からどこか愛らしさが香ってくるのかいい。
勉強させていただきます。

田名網敬一氏の70年代の作品を中心にまとめた「KILLER JOE'S」
もう今は入手困難らしい。

田名網敬一氏「KILLER JOE'S」 より

田名網敬一氏「KILLER JOE'S」 より

田名網敬一氏「KILLER JOE'S」 より
- 2015/11/12(木) 09:51:05|
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Bonjour!
秋の夜長。面白い小説に浸るのもいいけど、
すてきな画集を眺めるのもいい。
私が大切にしている画集を紹介します。
友達が教えてくれたその画集は「NEMUNOKI」。
ねむの木学園の子どもたちの絵のパリで開催された展覧会の図録のようだ。
ねむの木学園は女優の宮城まり子さんが 私財をうって設立され、障害がありながらも、様々な事情で親御さんと一緒に暮らせない子供たちを、まりこさんが親代わりとなって養育する施設と聞いている。
わたしはねむの木の子供たちの絵が大好きだ。
彼らの絵を肉眼で見てみたくて、静岡の掛川にある
ねむの木どんぐり美術館を訪れたことがある。
絵を前にして、涙が止まらない。
何故?
きっと、描いている子どもたちの心があまりにピュアだから。その無垢な輝きに心が揺さぶられたんだと思う。ほんとに美しい心は人を変える。そんな経験だった。

この本に掲載の作品。鍋の中にシチュー。あったかい家庭の風景。
こちらも同じ本に掲載。
ひとつひとつの顔がすごく愛らしい。
- 2015/10/24(土) 23:38:25|
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